生態リスク評価グループ

活動内容

近年の急激な都市化や交通網の発達による不浸透面の増加、交通量の増加により自動車交通に由来するノンポイント汚染が問題視されている。タイヤの摩耗片、車体塗料、排気ガスなどには重金属や多環芳香族炭化水素(PAHs)といった難分解性の微量有害物質が含まれている。それらが雨水により河川流域に流出することで水生生物への影響が懸念されているが、我が国における生態的視点からの研究は十分になされていないのが現状である。そこで本グループでは重金属類やPAHsといった自動車交通由来の微量有害物質や、高速道路排水や高速道路塵埃といった複合的毒性が懸念される環境試料を用いて、生態リスク評価、有害物質削減の研究を進めています。


セスジユスリカを用いた羽化毒性試験

高速道路上(京都東IC~八日市IC間)に堆積した塵埃を底質として用いたセスジユスリカの羽化毒性試験を行い、重金属類とPAHsに着目した生態リスクの評価を行い、同時に回収した塵埃を分析しその特性把握を進め羽化率との相関を考察している。塵埃の回収された時期により羽化率に違いが見られ、冬季試料を用いた毒性試験での羽化率が低い事から融雪剤との複合影響の調査を進めている。


ミジンコ、藻類を用いた毒性試験

自動車交通の増加によら、PAHsや重金属など、有害物質を含む自動車のタイヤ摩耗片や排ガスといった汚濁物が降雨によって水域へと流出し、環境への影響が懸念されている。そこで、水生生物であるミジンコや藻類を用いて、このような交通由来ノンポイント汚染による流出成分の毒性評価を行っている。


PCR-DGGEを用いた道路排水流入水路における付着生物相の調査

高速道路など交通量の多い道路の排水が流入する水路の付着生物相を、PCR-DGGEを用いて分析する。道路排水流入前後での付着生物相の違いを調べることで、交通由来ノンポイント汚染が原核生物相に与える影響について調べる。


・セスジユスリカの羽化毒性からみた冬季高速道路塵埃の生態影響に関する検討―PAHsと融雪剤に着目して―

・セスジユスリカを用いた羽化毒性試験によるタイヤ摩耗粉塵の生態リスク評価

・底質・底生生物・魚類におけるPAHsの生物濃縮に関する基礎的研究-道路塵埃・セスジユスリカ・ヒメダカを対象にBenzo[a]pyreneに着目して-